内分泌異常に伴う脱毛症

 

 内分泌異常に伴う脱毛症は、ヘアサイクル休止期の脱毛で、慢性のびまん性であり、主に頭頂部に症状が現れますが、全身に及ぶこともあります。

 

 甲状腺機能が亢こう進しんすると髪が細く軟らかくなり、びまん性の脱毛が起こってきます。腋毛、陰毛が減ってくることもあります。また、バセドー病により脱毛を来すことが多く、円形脱毛症を併発することがあります。

 

 逆に「橋本病」(医学博士・橋本策はかるが発見した慢性甲状腺炎)などで甲状腺機能が低下すると、髪が乾燥して藁わらのようにパサパサになって脆もろくなり、薄毛、抜け毛が目立ち、肌も乾燥肌になってきます。そこで白髪が増加したり、びまん性の脱毛が起こったり、腋毛や陰毛も薄くなったり、眉毛の外側3分の1が抜け落ちることがあります。

 

 下か垂すい体たい機能が低下すると、下垂体からの性せい腺せん刺激ホルモンの分泌が低下するため、体毛が減ったり抜け落ちたりします。また、眉毛の外側3分の1も抜け落ちることがあります。子どもの場合は、頭髪が細くまばらになり、成人女性の場合は腋毛や陰毛が抜けることがあります。

 

 

 

 この脱毛症については、基礎疾患の治療を優先することが必要です。

 

「粃糠性脱毛症」と「脂漏性脱毛症」

 

「粃ひ糠こう性せい脱毛症」は、頭皮に多くの乾性のフケが発生し、毛穴が詰まったり頭皮が荒れることによって起こる脱毛症です。毛穴が詰まると代謝が悪くなり、十分に成長する前に抜けてしまい、生え替わるたびにだんだん細くなります。

 

 粃糠性脱毛症の対策は、乾性のフケ対策に準じ、洗髪方法と食生活の見直しで、たとえば次のようなものです。

 

○シャンプーの使用を2日に1回にし、シャンプーしない日はぬるま湯で洗う。

 

○シャンプーをアミノ酸系シャンプーなど刺激の少ないものにする。

 

○シャンプー後のすすぎを十分に行い、オイル分の補給や保湿を心がける。

 

○ドライヤーによる急激な乾燥や、紫外線を避ける。

 

○頭皮の環境を整えるビタミンA、ビタミンB群を摂取する。

 

「脂漏性脱毛症」は、皮脂の過剰分泌による脱毛症です。ベタついたフケが発生し、前頭部、頭頂部だけでなく、側頭部、後頭部などの髪も脱毛してしまうことが多いです。日本人男性の30%以上に、この脂漏性脱毛症の傾向が見られると言います。

 

 脂漏性脱毛症は、洗髪回数が少ない、シャンプー剤やリンス剤が合わない、血行不良、脂っぽいものや肉類中心の偏った食生活により、皮脂が過剰に分泌されて毛穴が詰まったり、細菌により炎症が発生する、などの理由で起こります。

 

 脂漏性脱毛症の対策としては、洗髪方法や食生活の次のような見直しが大切です。症状が重い場合や、悪化している場合は、医師の診断を受けるようにしましょう。

 

○シャンプーで皮脂を取り除く。頭皮を傷つけないよう、また皮脂の取り過ぎに注意する。

 

○アミノ酸系シャンプーや殺菌剤含有のシャンプー剤に替える。

 

○育毛剤を使用し、マッサージにより、頭皮の血行をよくする。

 

○偏食をやめ、バランスのよい食事にする。

 

○ビタミン・ビタミンなどを摂取し、皮脂の代謝を促す。

 

○糖分・脂肪分・コーヒー・アルコールなどを控える。

 

○ストレスの解消を心がける。

 

 これらのうち、できることから実行してみることが必要です。

 

 以上、本章では、脱毛症の種類について、細かく説明してきました。脱毛の原因は様々ですが、脱毛を引き起こす誘因に対しての予防や処方については、はじめににも書いた通り、普段からの健康な生活と、髪やスカルプへのケアが大切であることは、脱毛症の種類を問わないところがあります。

 

 そこで次では、脱毛や育毛対策のケアやトリートメント法について、詳しく見ていくことにしましょう。

 

リンス・トリートメントは

 

 髪の損傷状態に応じて、リンス剤またはトリートメント剤を使用します。この時注意するのは、これを毛先を中心に髪の毛のみにつけることです。そして蒸しタオルで頭全体を包み、その上からシャワーキャップをかぶり、数分そのままにしてからすすぎ流します。

 

 拭き取りは蒸しタオルで行うと、水分を簡単に吸い取ることができます。乾燥したタオルで行う場合は、髪の根元から頭皮を擦らないように地肌を揉むようにするか、タオルで包んだ上から指先でポンポンと叩くようにします。これで十分に水分を拭き取ります。

 

 蒸しタオルは、熱めのお湯で濡らして絞ったり、水で濡らして絞ったタオルを電子レンジで温めて作ることもできます。

 

Fトニック・育毛剤塗布、マッサージ

 

 髪が薄くなりやすい部位に、血行促進、皮脂分泌調整、ホルモンのバランス調整、保湿、栄養補給、フケ・痒み除去など、目的に合わせたトニックや育毛剤を塗布します。この時、指先で髪を引き分けるか、スポイトなどに育毛剤を分け取って、頭皮に直接つけることができるようにして、塗布します。

 

 塗布が終わったら軽くマッサージをします。毛穴から育毛剤が浸透するまでの数分間は、首を回したり、腰のところの腎じん兪ゆや三さん焦しょう兪ゆのツボを刺激します(後掲写真参照)。

 

 育毛剤が吸収されたら、育毛のためのマッサージを行います。頭のツボやツボに似た反射ゾーンを刺激したり、頭皮を揉んで血行をよくしましょう。